税金・社会保険

【セミリタイア失敗⁈】突然の医療費支出と高額療養費制度

セミリタイア後が不安な人

セミリタイアしたいけれど、もしもの時が心配で踏ん切りがつかない‥

もしもの時の支出が心配で、セミリタイアに踏み切れない方も多いですよね。本日は予期せぬ支出の代表である「医療費」についての保障制度「高額療養費制度」についてご紹介します。

この記事でわかること

  • 高額療養費制度の仕組み
  • 医療費支出はどの程度備えておくべきか
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高額療養費制度とは

まず、高額療養費制度についてご説明します。

高額療養費制度とは…

医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html

日本は国民皆保険制度のため、リタイア後も何らかの健康保険には加入し続けることになります。

医療費が高額となった際には、加入している健康保険より一定額以上の部分の支出を支払うという仕組みが高額療養費制度です。

もっての☆ほかお

健康保険料はセミリタイア後の大きな負担でもありますが、こうしたセーフティネットもあるのですね。

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高額療養費制度ではいくら保障してくれるのか

では、実際に高額療養費制度ではいくら医療費を保障をしてもらえるのでしょうか。

医療費の自己負担上限額

医療費負担の上限金額は、所得と年齢によって異なります。以下、69歳以下の場合の負担額についてお示しします。

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000)×1% 
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:旧ただし書き所得600万~901万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円
健保:標報28万~50万円
国保:旧ただし書き所得210万~600万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者 35,400円

※厚労省サイト「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf)より

もっての☆ほかお

ケースごとに具体的に見ていきましょう。

ケース1.30歳、年収約800万円(適用区分:イ)の方が、100万円の健康保険対象の診療を受けた場合

・窓口負担額:30万円(3割負担)
・負担限度額:16万7,400円+(100万円-55万8,000円)×1%=17万1,820円

⇒高額療養費30万円-17万1,820円=12万8,180円が保険支給。

100万円の診療を受けたとしても、自分で負担する額は17万1,820円で済むこととなります。

ケース2.40歳、住民税非課税世帯(適用区分:オ)の方が100万円の健康保険対象の診療を受けた場合

・窓口負担額:30万円(3割負担)
・負担限度額: 3万5,400円

⇒高額療養費30万円-3万5,400円=26万4,600円が保険支給。

セミリタイア後に例えば住民税非課税世帯となった場合は、100万円の診療を受けたとしても(200万円の診療を受けたとしても)、自分で負担する額は3万5,400円で済むこととなります。

更に「限度額適用認定証」を事前申請しておくことにより、窓口支払いの時点で高額療養制度の自己負担限度額のみの支払いで済み、医療費の立て替えの負担せずに診療を受けることも可能です。

更に負担を抑える仕組み:世帯合算・多数回該当

自己負担上限額をさらに抑える仕組みとして「世帯合算」と「多数回該当」という制度があります。

世帯合算とは…

おひとり1回分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、複数の受診や、同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険に加入している方に限ります。)の受診について、窓口でそれぞれお支払いいただいた自己負担額を1か月単位で合算することができます。

https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

1人1回で上限が超えない場合でも、1月の総額や世帯での合計により上限額に達する場合もあるので、領収書については都度とっておくと良いかもしれませんね。

多数回該当とは…

過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がります。

https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

更に高額医療を定期的に受ける必要のある場合は負担の軽減措置があります。

高額療養費制度で支払われない医療費:差額ベット代・先端医療

注意しておきたいのは、病院で支払ったすべてのお金が保障の対象ではないということ。

計算対象となるのは、健康保険適用となる医療費です。保障の対象外となる代表的な費用について以下ご紹介します。

  • 差額ベッド代

差額ベッド代とは、個室や少人数部屋(「特別療養環境室」)に入院したときの居室利用料のことです。この費用については全額自己負担となります。具体的には以下条件の部屋での入院を希望した場合はそのベッド利用料は高額療養費制度での保障適用外になります。

1.病室の病床数が4床以下(1~4人部屋)
2.病室の面積が1人あたり6.4平方メートル以上
3.ベッドごとにプライバシーを確保するための設備がある
4.個人用の私物収納設備・照明・小机・椅子がある

  • 先進医療を受けた際の「技術料」

先進医療とは「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」

最先端かつ高度な医療だけれども、まだ公的な医療保険ではカバーできていない技術になります。こちらを受けたい、となった場合も費用は全額自己負担です。

例えばがんの治療法として実施件数も多い「陽子線治療」についての技術料は約250~300万円程度と高額な自己負担額となるケースもあります。

実際の自己負担額平均は?

これは勿論、どんな病気にかかるか、どんな診療を受けるか、によって大きく異なるため一概には言えませんが、生命保険文化センターの調査によると、入院時の自己負担費用の平均は20.8万円となっています。
(生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度より)https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/medical/4.html)

また重度の病気についての入院費用平均については以下の通りです。
※保険適用前の金額です。

胃の悪性新生物(胃がん):953,595円
急性心筋梗塞:1,775,492円
脳梗塞:1,597,077円
糖尿病:653,191円
胃潰瘍:680,205円

https://www.ajha.or.jp/hms/qualityhealthcare/indicator/09/

上記の平均金額を参考にしていただき、ご自身やご家族の健康状態、既往歴等を踏まえて十分な備えをしましょう。

制度を理解し、しっかり備える

セミリタイア後に一番心配な予期せぬ支出は医療費でないでしょうか。健康、生命にかかわる部分については決して払えない…といった事態には陥りたくないですよね。一方で保険も手厚いのが医療費制度。十分理解したうえで、適切な備えを持ち、安心してセミリタイアを迎えられるようにしましょう!

以上となります。本日もありがとうございました。

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