必要額シミュレーション

【給与のプロが解説】退職金はいくら貰える?平均は?手取りは?

退職金の受給額が知りたい人

退職金って手取でいくらもらえるの?

東証一部上場企業で給与支給業務に従事する私が解説します。

  • まずは退職金の「平均額」を元に受給額の目安を確認する
  • 正確な受給額は就業規則を見て計算する
  • 手取額は[退職金額 ー(所得税額 + 住民税額)]で計算する。
    ※ 計算方法を解説します

以下、筆者の簡単なプロフィールです。

  • 東証一部上場企業で給与支給業務に従事する「会社」にまつわるお金のプロ
  • 休日をエクセル作業に費やすシミュレーションマニア
  • 「セミリタイア」を目指し蓄財中の32歳。既婚。現資産額: 1,000万円強。

この記事の著者
おなまえ

セミリタイアブロガー

もっての☆ほかお

motteno-hokao

プロフィール

『セミリタイアのすべてが分かる』をコンセプトにブログ運営中
東証一部上場企業のアラサー会社員(人事担当者)
2023年9月 セミリタイア予定
2021年2月 資産額 2,156万円
プロフィール詳細

退職金の「平均額」を元に受給額の目安を確認する

まずは、①ご自身の勤める会社規模、②学歴、③ 退職時の勤続年数 を元におおよその受給額の目安を確認しましょう。

次の平均受給額の一覧を参考にしてみてください。

勤続年数 大企業の平均 中小企業の平均
高校卒 大学卒 高校卒 大学卒
3年 34万円 33万円 18万円 24万円
5年 57万円 63万円 35万円 44万円
10年 151万円 186万円 90万円 122万円
15年 310万円 408万円 170万円 230万円
20年 610万円 802万円 280万円 373万円
25年 1017万円 1287万円 424万円 570万円
30年 1,451万円 1,898万円 578万円 785万円
定年 2,303万円 2,660万円 1,127万円 1,203万円

※ 自己都合退職の場合の「モデル退職金」
※ 中央労働委員会「賃金事情等総合調査」
  東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情」 引用・改編

正確な受給額は就業規則を見て計算する

退職金の支給がある会社であれば、その計算方法が必ず就業規則に記載されています。

退職金の計算方法は「相対的明示事項」といって、支給があれば就業規則に必ず記載をしなければならない事項です。

累積方法は会社によって異なりますが、読めば必ずその計算方法から自身の受給額がわかるはずです。

また、「金額はざっくり平均がわかればいい」という方でも、「退職金の支給制限」の項目だけは、必ず就業規則でご確認ください。

この項目には、

 「勤続年数が3年以内のものには退職金は支給しない」 

 「勤続年数が5年以内のものに支給する退職金は、累積額の50%とする」

等の記載されています。内容は会社によって異なりますので、就業規則で確認してみてください。

筆者は会社の「給与担当」という立場上、「あと1か月辞めるのを我慢すれば退職金が満額でもらえるのに…」という人を何人か見てきました。就業規則を見ればすぐに分かることですので、退職前に必ずご一読ください。

※「会社に言っても就業規則を開示してくれない!」という人は、
  今すぐ労基署に駆け込んでください。労基法違反です。

手取額は[退職金額 ー(所得税額 + 住民税額)]で計算する。

退職金2,500万円、勤続年数30年の方の「手取額」は、2,400万円弱です。

意外ともらえると思いませんか?

これは、次の2点により税金等の負担が軽減されるからです。

退職金においては
 ・ 退職所得控除等の優遇措置が受けられる
 ・ 社会保険料がかからない

具体的に、退職金にかかる税金は次の4ステップで計算されます。

少しややこしいですが、順を追ってご説明しますのでご安心ください。

STEP1. 課税対象となる退職所得を計算する

課税対象となる退職所得額 = (退職金額 ー 退職所得控除額)× ½

上述の式における「退職所得控除」は次の表により計算できます。

勤続年数 退職所得控除
20年以下 控除額=40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
20年超え 控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20年)

退職金2,500万円、勤続年数30年の方の場合、課税対象となる退職所得額は次のとおり計算されます。

課税対象となる退職所得額

={2,500万円 ー 800万円+70万円×(30年-20年)}× ½

= 500万円

STEP2. 所得税を計算する

所得税額 = 課税対象となる退職所得額 × 所得税率 ー 控除額

上述の式における「所得税率」「控除額」は、次のとおりとなっております。

課税対象となる退職所得 所得税率 控除額
1,000円~194万9,000円 5%
195万~329万9,000円 10% 9万7,500円
330万~694万9,000円 20% 42万7,500円
695万~899万9,000円 23% 63万6,000円
900万~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
1,800万~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

退職金2,500万円、勤続年数30年の方の場合、所得税額は次のとおり計算されます。

所得税額

= 500万円 × 20% ー 42万7,500円

= 57万2,500円

STEP3. 住民税を計算する

住民税額 = 課税対象となる退職所得額 × 10%

退職金2,500万円、勤続年数30年の方の場合、住民税額は次のとおり計算されます。

退職金2,500万円、勤続年数30年の方の場合、住民税額は次のとおり計算されます。

住民税額

= 500万円 × 10%

= 50万円

STEP4. 手取額を計算する

手取額 = 退職金額 ー (所得税額 + 住民税額)

退職金2,500万円、勤続年数30年の方の場合、手取額は次のとおり計算されます。

手取額

= 2500万円 ー (57万2,500円 + 50万円)

= 2,392万7,500円

さいごに

退職金制度は、大企業では90%、中小企業では70%以上の会社が導入しております。

ほとんどの方が退職金のお世話になるにも関わらず、「いくらもらえるのか」わかっていない方が多かったのではないでしょうか。

本記事が、リタイア後の貴重な生活資金となる「退職金」の具体的な手取額を確認いただく一助となれば幸いです。

みなさまのリタイア生活が安泰なものになることを祈っております。ほかお