したい人
しっかりお金は貯めたけど、、、ほんとにセミリタイアして大丈夫かなぁ。
同じ「5,000万円」をもって会社を辞めた人でも、セミリタイアに成功する人と失敗する人がいます。
この2人の差は何なのでしょうか。それは
しっかりと「リスクヘッジ」をできていたか、否か
ということです。
リスクヘッジをしないままセミリタイアした人には、例えば次のような事態が起こります。
- セミリタイアした直後に親の介護が必要に。
- 資産のほぼすべてを株に突っ込んでいたため、株を売り払ってお金を作るしかない。
- そんな時に限って株価はコロナショックで大暴落。大きな含み損も仕方なく売却。
- セミリタイア後の住居として、地方に家を購入したが、移住先での近所付き合いがうまくいかない。
- おまけに住宅ローンが重くのしかかり、リタイア資産を取り崩す日々。
- 地方でやりたいことも見つからず、、、仕方なくリタイア前より安い給料で会社員に復帰
本記事では、セミリタイアのために絶対にしておくべき「リスクヘッジ」を7つご紹介します。
この7つを実行するだけで、少なくとも上記のような最悪の事態は避けられます。
ここでいう「リスクヘッジ」は、「保険に入りましょう」といった内容ではありません。むしろ、セミリタイアラーに保険は不要です。(理由は後述)
それでは始めましょう!
最も大切なことは生活を「固定」しないこと

最初にマインドとして最も大切な考え方をお伝えします。それは
生活を「固定」しないこと。
です。
セミリタイアは、ある意味、外部環境の変化への対応力を失う行為です。
会社員時代は「安定した収入」が保証され、突然の親の介護・株価の暴落等があっても、金銭的にはいくらでも対応できます。
しかし、一度セミリタイアしてしまえば、そうはいきません。
そこで大切なことは、外部環境の変化に合わせてフレキシブルに生活を変える、というマインドを持つことです。
「安定した収入」が保証されていない以上、万が一の際には、生活を変えて調整するしかないのです。
ここで、
- 家を買って住宅ローンが残っている
- 一度高く設定した生活費を落とせない
となると、セミリタイアが失敗する可能性が大幅に高まります。
まずはマインドとして、生活を固定しないということ、心にとめておいていただければと思います。
ここからは、具体的なリスクヘッジ方法をお伝えします。
セミリタイア生活のリスクと対処方法

セミリタイアには、大きく分けて2つのリスクがあります。
- 資産が尽きるリスク
- 「飽きる」リスク
資産が尽きるリスクは、セミリタイア希望者であればイメージしやすいでしょう。
会社を辞めて、「安定収入」を放棄したのちに、資産がなくなってしまえば目も当てれません。
「飽きる」リスクは、
失敗者
セミリタイアしたけどやることがない。。飽きたし生活に張りがない。。これからどうしよう。
といった状態になるリスクです。
意外と失敗者には、このような状態になってしまい、職に戻る気力もなく憂鬱な毎日を過ごす、と言った方も多く、侮れません。
それぞれのリスクに対する対処策は次のとおりです。順次解説していきます。
◇ 資産が尽きるリスクへの対処
① 生活費を落としておく
② 最低限の「現金」をもっておく
③ アセットアロケーションを適正化しておく
④ 収入源を複数持っておく
⑤ 公的保険の内容をよく理解しておく
◇ 「飽きる」リスクへの対処
⑥ モチベーションを再確認する
⑦ 「成長できること」を探す
資産が尽きるリスクへの対処
① 生活費を落としておく
生活費が【月40万円の人】と【月4万円の人】、収入が途絶えた時に、よりリスクが高いのはどちらでしょうか?
これは少し極端な例ですが、前者の方がリスクが高いことは明白ですね。
生活費が【月40万円の人】は、収入が途絶えた瞬間からハイスピードで資産が減り始めるのに対し、【月4万円の人】は少しアルバイトをする程度でリスクを回避できます。
単純ですが、最も効果の高いリスクヘッジはこの「生活費を落としておく」になります。
ミニマリストの「本当に大切なものだけに囲まれて生きる」という考え方は、生活費を落とすという意味でも、セミリタイアにとても相性がいいです。
また、「海外セミリタイア」で生活費を大幅に下げることも選択肢の一つです。
タイのチェンマイに移住すれば、家具家電・プール・ジム・サウナ付きで月35,000円 という格安でゴージャスな家に住むことができます。夢のようですね!

FIRE 最強の早期リタイア術 の著者 Kristy Shen氏 は、「困った時にはタイへ行こう」を合言葉にしていると言います。
もしもの時に、生活費を下げる術を知っておく、というだけでも大きなリスクヘッジとなるのではないでしょうか。
② 最低限の「現金」をもっておく
セミリタイアラーには、資産の半分、もしくはそれ以上を「株式」や「不動産」に置く人が多いはずです。
ここで大切なことは、最低限の「現金」を持っておくことです。
セミリタイアラーが最もやってはいけないことは、株価の暴落時に、売却してしまうことです。
売却することで損失が確定してしまい、次に必ずくる回復局面で資金を取り戻すために必要な手持ち資産の保有数量が少なくなるからです。
暴落時に売ることが「リタイア失敗」に繋がることは、アメリカ トリニティ大学の研究でも証明されていますね。
暴落時にも、株や不動産を売らなくて済むように現金を準備しておきましょう。
ちなみに、過去の株式市場が暴落から立ち直るまでの期間中央値は【2年】、世界恐慌時から立ち直るまでの期間は【5年】です。
つまり、5年分の現金があればどんな暴落も乗り越えられる、ということです。
少なくとも2年分、多くて5年分の現金を準備しておきましょう。
ここでも、生活費を下げておくと、準備する現金が少なくて済みますね。
③ アセットアロケーションを適正化しておく
以下の図は、アメリカ トリニティ大学で行われた研究結果(トリニティスタディ)で、
リタイア時のアセットアロケーション・年間引き出し率別の、「資産が0にならない確率」を示したものです。

仮に、年間引き出し率を4%とした場合、赤字で示したとおり、
株式75%、債券25%
としておけば、リタイア後30年経っても、資産が0にならない可能性が100%になります。
表のとおり、株式の割合を増やしても、減らしても、リタイア成功の確率は下がってしまうため、株式75%・債券25%の割合を目途に資産を振り分けましょう。

トリニティ・スタディで検証された株式/債券の投資先は「S&P500インデックスファンド」と「高格付け社債」。それ以外の投資先への投資は検証されていませんので、ご注意ください。
④ 収入源を複数用意しておく
セミリタイア後、1つの収入源に依存してしまうのは非常にリスクが高いです。
例えば、不動産収入だけに頼っていたら突如空室ができて収入が途絶えるかもしれません。投資先が突如として無配転落することもあり得ます。
セミリタイア後は、株・不動産・労働収入等、収入源を分散することが大切です。
有事の際に備えて、パートタイムでも収入を確保しやすい資格を取得しておくのも1つの手ですね。
宅建士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーなどが人気ですよ!
⑤ 公的保険の内容をよく理解しておく
公的保険は国が用意してくれる最高のリスクヘッジです。
もしもの時に、適切に活用できるよう、しっかりと内容を理解しておきましょう。
◇ 病気などで医療費が高額となった際には「高額療養費制度」
高額療養費制度は、医療費の家計負担が重くならないよう、医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を補償してくれるものです。
個人が負担する医療費の上限は収入額によって決まります。
セミリタイアした人は、収入がかなり下がっているはず。仮に住民税非課税世帯であれば、月額の医療費はどれだけ治療を受けても、【35,400円】以上かかりません。

◇ 65歳~終身で受給できる「年金保険」
年金保険の素晴らしいところは、65歳~終身で受給できる、という点です。
時々の状況に応じ、受給年齢の繰り上げ・繰り下げも可能です。
ご自身の年金受給予定額は、ねんきんネットから確認できます。
◇ もしもの時のセーフティーネット「生活保護」
「お金が尽きた上、働けない体になってしまった」という最悪の場合には、生活保護があります。
夫婦2人世帯での受給額目安は【13万円〜18万円 / 月】。
知っておくだけでも、大きな安心材料となるのではないでしょうか。

公的保険がここまで充実していれば、民間保険への加入は不要ですね!
生命保険は、一家の大黒柱に不慮の事故があった時、残された家族を養うためのものです。
そもそもセミリタイアした人は「一家の大黒柱」になり得ないので不要です。
また、医療保険は、高額療養費制度があるので不要です。
民間保険は、「勝率の低い宝くじ」。加入するにしても最低限にしておくべきでしょう。
「飽きる」リスクへの対処
⑥ モチベーションの再確認
セミリタイアをするモチベーションには2種類あります。
- とにかく会社を辞めたい
- セミリタイアをして○○をしたい
どちらもモチベーションとしては、当然あるべきですが、大切なことはバランスです。
「とにかく会社を辞めたい」だけでセミリタイアしてしまうと、リタイア後に何をしていいか分からず、毎日グダグダ過ごすことに…そんな生活が続けばセミリタイアに「飽きて」しまうことになります。
セミリタイアはあくまで手段であって目的ではありません。
セミリタイアをして、何をしたいのか、どんな生活を送りたいのか、セミリタイア前から何度も何度も考えておくことが、本当に大切です。
「どんな生活を送りたいか自分でもわからない」と言う方は、次の記事を参考にしてみてください。

⑦ 「成長できること」を探す
人は誰しも「成長」を求めています。
目標に向かって努力をし、成長を実感する。
これができれば、セミリタイア生活に「飽き」は無縁です。
例えば副業。
労働が嫌でセミリタイアしたはずでも、実は嫌だったのは「会社員としての労働」だった。という方はとても多いです。
前出の Kristy Shen氏 は、「リタイア後にビジネスをしない人は見たことがない」と語っております。
副業で売り上げを伸ばすことは、まさに「成長」を実感できる行為です。
「成長」はなにも大それたものでなくても問題ありません。
ゲームの大会で優勝したい、本を出版したい、筋トレにいそしみたい、といった目標を持ち、それに向かって成長を続けられるのであれば、「飽き」とは無縁の生活となるでしょう。
私のおすすめは筋トレ。
頑張れば頑張るだけ「以前より重いバーベルが持てる」ようになります。見た目もどんどん変わる。。。
筋肉はウソをつきません!
まとめ: リスクとは正しく向き合おう

本記事では、「セミリタイア生活で絶対にするべき7つのリスクヘッジ」として、以下を解説してまいりました。
◇ 資産が尽きるリスクへの対処
① 生活費を落としておく
② 最低限の「現金」をもっておく
③ アセットアロケーションを適正化しておく
④ 収入源を複数持っておく
⑤ 公的保険の内容をよく理解しておく
◇ 「飽きる」リスクへの対処
⑥ モチベーションを再確認する
⑦ 「成長できること」を探す
「飽きる」リスクへの対処については、若干精神論っぽくなってしまいましたが、ここを甘く見ていてセミリタイアに失敗する、と言う方も多く見受けられます。
ないがしろにせず、リスクヘッジの一つとしてしっかりご準備いただけると幸いです。
最後に、セミリタイアの先人Kotaro氏の著書「40代で早期退職して5年間セミリタイアしてみた」から、私の大好きな一節を紹介させていただきます。
早期退職しても当分は暮らせるほどの貯金があったのに、会社を辞めずにサラリーマンでいつづけた理由はただ1つ「恐怖」だった。「恐怖」の中身を挙げてみると……正社員の地位を捨てるのが怖い安定収入を捨てるのが怖い無職になるのが怖い死ぬ前に貯金がなくなって老後貧乏になるのが怖い(中略)人並みの生活ができずに悔しい思いをするのが怖い。。実際やめてみると、辞める前に感じていた「恐怖の大王」は何一つとして天から降ってこない。
元も子もありませんが、しっかりとリスクヘッジをしておけば、意外と「案ずるより産むが易し」なのかもしれません。
リスクは、過小評価も過大評価もせず、正しく・適正に評価をし、向き合いましょう。

皆さんのセミリタイア生活が順風満帆に行くことを願っております!それでは!
————————————-
このブログは、「セミリタイアのすべてが分かる」をテーマに定期更新しています!
ともにセミリタイアを目指していきましょう!
最後に、よければ、Twitterのフォローもお願いいたします!
セミリタイアに関する情報を、日々発信しております。
カテゴリー: 必要額シミュレーション
カテゴリー: セミリタイアマインド
カテゴリー: セミリタイアと住居
カテゴリー: 家計見直し
カテゴリー: 税金・社会保障